atanh(x) の導関数 - 証明と説明

証明

まず、y=atanh(x) と定義します。これは x=tanh(y) を意味します。

  1. 定義と陰微分:

    y=atanh(x)x=tanh(y)
  2. tanh(y) の導関数:

    ddytanh(y)=sech2(y)
  3. x に関して陰微分する:

    dxdy=sech2(y)
  4. 逆数を取って dydx を求める:

    dydx=1sech2(y)
  5. sech(y)=1cosh(y) を用いて簡略化:

    sech2(y)=1cosh2(y)

    したがって、

    dydx=cosh2(y)
  6. cosh2(y)x に関して表す: 恒等式 cosh2(y)sinh2(y)=1tanh(y)=x を用いると、sinh(y)=xcosh(y) です。したがって、

    cosh2(y)x2cosh2(y)=1cosh2(y)(1x2)=1cosh2(y)=11x2

したがって、

dydx=11x2

このようにして、atanh(x) の導関数は:

ddxatanh(x)=11x2

説明

atanh(x) の導関数を理解するために、まず y=atanh(x) と定義し、これが xy双曲線正接であることを意味することから始めます。この関係は x=tanh(y) と書けます。

関数 tanh(y) は双曲線関数であり、三角関数と類似していますが双曲線角に対するものです。その y に関する導関数は sech2(y) です。ここで、sech(y) は双曲線正割であり、1cosh(y) と定義されます。

陰微分を用いて、x=tanh(y) の両辺を x に関して微分します。これにより、

dxdy=sech2(y)

を得ます。次に dydx を求めるために、dxdy の逆数を取ります:

dydx=1sech2(y)

次に、1sech2(y) を簡略化します。sech(y)=1cosh(y) なので、sech2(y)=1cosh2(y) となります。したがって、

1sech2(y)=cosh2(y)

cosh2(y)x に関して表現するために、恒等式 cosh2(y)sinh2(y)=1 を使用します。tanh(y)=x を知っているので、sinh(y)=xcosh(y) です。この値を恒等式に代入すると、

cosh2(y)x2cosh2(y)=1cosh2(y)(1x2)=1cosh2(y)=11x2

となります。

したがって、atanh(x) の導関数は:

dydx=11x2

Q.E.D.