導関数を求めるための定数ルール

定数ルールは、定数関数の導関数を求めるために使われる微分のルールです。定数関数とは、入力に関係なく常に同じ値を返す関数のことです。言い換えれば、定数関数のグラフは水平線です。定数ルールは、定数関数の導関数が常にゼロであると述べています。

定数ルールの公式と正式な定義

定数ルールの公式は次の通りです:

ddx(c)=0

c を定数とします。もし f(x)=c ならば、f(x)x に関する導関数は次のようになります:

f(x)=ddx(c)=0

定数ルールの導出

定数ルールが成り立つ理由を理解するために、微分の定義を使ってこれを導出してみましょう。 定数関数 f(x)=c に対して、次のようになります:

f(x)=limh0f(x+h)f(x)h

f(x)=c であり、f(x+h)=c(関数は常に同じ値を返す)なので、これらを微分の定義に代入できます:

f(x)=limh0cch=limh00h=limh00=0

したがって、定数関数の導関数が常にゼロであることを示しました。

定数ルールの重要性

定数ルールは、より複雑な関数の挙動を理解するための素晴らしい方法です。特に、多項式や有理関数が定数であるか、べき関数(例えば g(x)=xnn が正の整数である場合)であるかを見極めるのに非常に役立ちます。

定数項の導関数が常にゼロであることを理解することで、これらのより複雑な関数の導関数を求めるプロセスが非常に簡単になります。例を見てみましょう。多項式を微分するとき、定数ルールは定数項以外の項に焦点を当てるのに役立ちます。これは、定数項の導関数が常にゼロであるためです。

例:定数ルールの適用

関数 f(x)=5x3+2x7 を考えてみましょう。

この関数の導関数を求めるために、定数項には定数ルールを適用し、非定数項にはべき乗則を適用します:

f(x)=ddx(5x3)+ddx(2x)ddx(7)

最初の2つの項にはべき乗則を、最後の項には定数ルールを使うと:

f(x)=15x2+20=15x2+2

したがって、f(x)=5x3+2x7 の導関数は f(x)=15x2+2 です。