微分におけるべき乗則 - 導関数の求め方

べき乗則とは?

べき乗則は、変数がべき乗される関数、例えば x5 の微分に使用される微分法のルールです。これは、多項式や他のべき項を含む関数の導関数を簡単に見つけるのに役立ちます。べき乗則は、変数が定数のべきに上げられた場合、その係数にべきを掛けて、べきを1減らすことで導関数を求めると述べています。

べき乗則の公式と正式な定義

べき乗則の公式は次の通りです:

ddx(xn)=nxn1

関数 f(x)=xn に対して、ここで n は実数であり、x に関して f(x) の導関数は次のように表されます:

f(x)=ddx(xn)=nxn1

べき乗則の応用

べき乗則は、変数が定数のべきに上げられる関数の導関数を見つける必要がある場合に使用されます。このルールは、特に多項式の微分に役立ちます。多項式は、変数の異なるべきを持つ項の合計です。

例えば、f(x)=x3 の導関数を求めるには、べき乗則を適用します:

f(x)=ddx(x3)=3x31=3x2

数学的証明

べき乗則を証明する方法はいくつかあります。数学的帰納法、二項定理、導関数の定義などがあります。

数学的帰納法を用いたべき乗則の証明

正の整数のべきに対して、数学的帰納法を用いてべき乗則を証明できます。

  1. 基本ケース:n=1 の場合、f(x)=x1=x です。導関数の定義を用いると:

    f(x)&=limh0f(x+h)f(x)h[2ex]&=limh0(x+h)xh[2ex]&=limh0hh[2ex]&=1

    これはべき乗則の公式に一致します:ddx(x1)=1x11=1x0=1

  2. 帰納ステップ:べき乗則が n=k に対して成り立つと仮定します。すなわち、ddx(xk)=kxk1 です。n=k+1 に対しても成り立つことを証明する必要があります。

    f(x)=xk+1 とします。積の法則を用いると:

    f(x)=ddx(x·xk)=x·ddx(xk)+xk·ddx(x)

    帰納仮定と ddx(x)=1 を用いると:

    f(x)=x·kxk1+xk·1=kxk+xk=(k+1)xk

    これは n=k+1 のべき乗則の公式に一致します:ddx(xk+1)=(k+1)x(k+1)1=(k+1)xk

したがって、数学的帰納法により、べき乗則は全ての正の整数のべきに対して成り立ちます。

負の整数に対するべき乗則の証明

負の整数のべきに対してべき乗則を証明するために、xn=1xn と正の整数のべきに対するべき乗則を用いることができます。

f(x)=xn とします。ここで n は正の整数です。商の法則 を用いると:

f(x)=ddx(1xn)=xn·ddx(1)1·ddx(xn)(xn)2

ddx(1)=0 および ddx(xn)=nxn1(正の整数のべきに対するべき乗則より)を用いると:

f(x)=01·nxn1(xn)2=nxn1x2n=nxn1

これは負の整数のべきに対するべき乗則の公式に一致します:ddx(xn)=nxn1

微分におけるその他のべき乗則

べき乗のべき乗則:(xm)n=xmn

このルールは、べきをべきに上げる場合、べきを掛けることができることを示しています。例えば:

(x2)3=x2·3=x6

対数におけるべき乗則

対数におけるべき乗則は、変数のべきの対数が、そのべきを変数の対数に掛けたものに等しいことを示しています。つまり:

logb(xn)=nlogb(x)

例えば:

log2(x3)=3log2(x)